本物に触れること

とっても久しぶりに美術館に行ってきました。

豊橋美術館

豊橋公園、吉田城などに隣接している豊橋市美術博物館です。

アンドリュー・ワイエスさん…なんとなく気になって調べてみると、
「クリスティーナの世界」という絵をずっと昔に拝見して、印象に残っていました。

今回の絵画展には「クリスティーナの世界」はないのですが、
同作の数多くの習作も展示されていました。
多くは、「オルソン・ハウス」と呼ばれるメイン州(アメリカ)の海辺に在る家と、その家に住んでいたアルヴァロとクリスティーナの姉弟が描かれていました。

 

とても透明感のある素敵な空気感の絵画ばかりでした。
派手さはないのですが、どの絵にも光を感じることができ、
心がが澄んでいくのを感じながら、観ていました。

ふと…涙がこぼれ始めたことに、驚きました。

「驚いた」と思ったのは、絵の対象としては、
家、農具、少しだけ人物、草原…
対象物そのものが心を動かすこと、またはストーリー性があるものではなく、
ただ静かに「在る」という絵ばかりでした。
(私が情報収集をしていなかっただけなのかもしれません。私の認識の中で感じたまま書かせていただきました)

私が涙を流した絵も、「青い計量器」という絵で、対象物自体が心を動かすとは思えないものでした。

 

きっと…画家さんがそこに在るものを、単に物理的な対象物として描いていたのではなく、
「もの」である以上のことを受け取り、それを表現してくださっていて…
だから、絵を見る「わたし」が対象物以上のものを受け取り、心が動いたのかなと感じました。

 

アンドリュー・ワイエス

 

カウンセリングも、それ以外の人間関係の中でも、
本質を受け取ろうとすることの大切さと重なりました。

目の前の相手がどんな状態であっても、
何が起こっていたとしても…
ずっと奥にある本質を見つめ続けること、信じ続けること、受け取り続けることで、
必ず光に気づくことができるのだと思います。

そして、その受け取ったことを、お伝えしていくこと、共有していくことで、
ご自身の本来の輝き、強さ、素晴らしさを思い出していけるのだと思います。

 

絵画とカウンセリングではもちろんまったく違う分野なのですが、
本物の素晴らしい絵を拝見する機会があって、
目の前に在ること以上の本質を見る目(=心)を養っていくことの大切さを感じた絵画展でした。

 

投稿者プロフィール

藤原 加都江 
藤原 加都江 心理カウンセラー(精神保健福祉士)
豊橋カウンセリングルームの他、近隣地域でのカフェカウンセリングや訪問カウンセリングをご提供しています。またスカイプ等のオンラインカウンセリングにも対応いたします。(H30年に公認心理師試験合格)

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